ものをつくること
チビが産まれる前、何人かの人に ”子どもを産んだらきっと作品が変わるよ”と言われた。
私は美術の作品を作ってきて今も時間が減ったとはいえ作っている。
さてチビを産んで2年経ち、作品に影響した?と言われると正直言ってわからない。
無意識に何か変化しているのかもしれないけど、自分では作品に大きな変化があった様には思えない。
でも何が変わったかとうと保育所週2回以外は、自分で”選べない時間に自分で選ばない所に行く”ことで、その時にその場所に居ないと見えない物があるんだということに気づいたこと。
時間はほとんどチビに合わせて行動する事が多くなり、行く場所はチビに関係する所が多くなる。例えば朝早くから公園に行く事なんてなかったのに、砂場の囲いのコンクリートに座り、ゆっくり公園から道行く人を眺める事は今までになかった”目線””。
他にはチビがもっと小さいときは家の中で授乳しながら寝てしまったチビを起こさないように、ただひたすら座って抱っこしながらただボーと庭を見ること。いままで庭をそんなに長時間じっくり見る事なんてない。
短く言うと ”そうすることしか出来ないからしている”。というと、ある意味それが苦痛におもえるときもあるけど、私にとってこれがとても良い新しい目線を得るきっかけになったとおもう。もちろんチビと居る事、それ自身がものをみることを考えさせてくれる。見ている物は日常の些細なことにすぎないのに、今までと違う場所と時間の流れで見た景色、それが新しい発見に繋がり作品に影響している気がする。
でも作品はいつも昔からのいろいろなアイデアや作品から続くものだから、目にみえて大きく変わるとうことはないかもしれない。
でも今は”自分”の時間がないように思えるけど、今しか得る事の出来ない目線を大事にしよう。